見直しについてのちょっとお得な話
災害特約・災害割増特約・災害時の死亡保障を考える
生命保険に入るときに、「災害特約」「災害割増特約」を付けたり、「災害で死亡したときの保障額が大きい保険」に入っている人がいます。これにどれほどの意味があるのか考えてみましょう。
災害特約・災害割増特約とは、災害による死亡の場合には、他の原因による死亡よりも、支払われる保険金額を厚くしよう、というものです。死亡の場合だけでなく、入院の場合にも割り増しをする、というタイプの(医療)保険もあるようです。端的に言えば、災害が原因の場合には保険金が沢山出る、ということになります。
保険会社のパンフレットや契約約款を良く読むと分かるのですが、この「災害」とは、台風・大雨・地震のような狭義の災害だけでなく、不慮の事故全体を指しています。
生命保険に入るときには、知らない間に(笑)、複数の特約が付いていることが多いのですが、そういう場合には必ずと言って良いほど、「災害特約」・「災害割増特約」が付いているものです。
多くの人が入っている定期付終身保険にも、他のいくつかの特約と一緒に「災害特約」・「災害割増特約」が自動的に付いていたりします。
死亡保障がメインの共済では、「病気死亡の場合には400万円、不慮の事故死亡の場合には800万円、交通事故死亡の場合には1200万円」のように死亡原因によって、支払われる保険金に差が付けられています。災害(=不慮の事故)の場合には、沢山支払われる、ということになります。
程度の差はあれ、「災害(=不慮の事故)の場合には、保険金が沢山出ることが多い」ということです。
でも、私(taku)は不思議でしょうがないのです。
ちょっと考えてみてください。
・災害の場合に、保険金をたくさん貰わなければならない理由がありますか?
・災害の場合に、必要保障額が多くなることって、考えられますか?
生命保険の必要保障額の計算方法を思い出してください。
万が一思い出せない人は、『生命保険の必要保障額は?』を参照してください。
災害の時のみ、必要保障額を多くする必要は全くありません。
そもそも、災害(不慮の事故)で死亡する可能性は、病気死亡の場合に比較すると圧倒的に低いです。公的な統計資料が見つけられなかったのですが、それに近いものでしたら、見つかりました。
文部科学省の関連組織で地震調査研究推進本部というところが発行した報告書です。
上記報告書の、主文(全体)のpp.25に興味深い図が載っています。
災害・事故・病気・犯罪に会う確率が、図にまとまっています。
(マニアックな人のみ、上記リンク先資料をご覧ください)
結論をまとめると、死亡原因としては「病気」がほとんどである、ということが分かります。
そもそも、災害(不慮の事故)で亡くなる可能性は、病気で亡くなる可能性と比較すると、かなり低いのです。一説には、数パーセント(10パーセント未満)と言われています。
となると、なんで、「災害特約」・「災害割増特約」という特約があるのでしょうか??
ちなみに、災害で死亡する可能性が低いため、これらの特約を付けても支払う保険料は大して上がりません。1ヶ月あたり数百円程度です。
ですので、目くじらを立てる必要もないのかもしれません。
唯一、注意したほうが良い点は、災害時死亡保障が高額の保険を見つけて、お得な保険を見つけた、と勘違いしないでくださいね、ということですね。
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2006年10月10日 23:56