個人年金保険
変額保険を考える
変額保険って、聞いたことがある人は多いでしょうか。
でも、なんとなく怪しいイメージを持っている方が多いと思います。
バブルの頃に、銀行が「融資を受けたお金で、変額保険に入ると大儲け出来る」とセールスして、顧客に大損させてしまったために、裁判沙汰になってしまった、というのが変額保険です。
ということで、変額保険というとダーティーなイメージが強くて、新聞などでも悪い意味(ニュアンス)で扱われることが多いようです。
さて、ここでは変額保険について考えてみます。
生命保険会社で販売する個人年金には、二つの種類があり、定額個人年金保険と、変額個人年金保険があります。
定額個人年金保険がオススメではない、と言う点については、『個人年金保険に入ってはイケナイ理由とは?』『個人年金保険で節税したい!』 をご覧下さい。
一般に、変額保険と言った場合には、変額個人年金保険のことを指すことが多いようです。変額個人年金保険は、契約時に予定利率が定まっていません。「変額」とは、保険資金の運用状況に応じて、受け取り金額が変動する、という意味です。
そのため、バブル崩壊時のように、株や債券が急落した際には、運用状況も悪化して、受け取り金額についても急落してしまいます。
「保険とは、もしもの時・万が一の時に、経済的に苦境に立たなくても良いようにするためである」、という趣旨から考えると、「不況になって金利が下がると保険金の受け取り金額が下がる」、というのでは、話になりません。
そのため、変額保険という商品自体に価値が無い、という結論になりそうです。
でも、先日、以前からの知り合いであるS生命のKさんとお会いして、考えが変わりました。
低金利の今こそ、変額保険に入るべきである、と。
では、順番に説明しますね。
生命保険の最大の弱点は、契約時の予定利率に左右されてしまうことです。
一般に、生命保険は、契約する時点で、毎月の保険料・解約返戻金・保険金が全て決まっています。この金額は、契約する時点での予定利率によって決まります。
ということは、金利が低い(=予定利率が低い)時期に保険に入ることはそもそも、損になる可能性が高い、ということになります。
年齢・契約期間・保険金・その他条件などが同じ人であっても、予定利率が低い時期に入った人は毎月の保険料が高くて、予定利率が高い時期に入った人は毎月の保険料が安い、ということになります。
「なんだ、やっぱり低金利の今の時代に生命保険に入るのは止めたほうが良い、ということなのか!」と思った方、とりあえず正解です。
ところが、変額保険なら、契約時の金利状況に左右されません。変額保険は、契約する時には、受け取り金額が決まっていません。そもそも「予定利率」というものも存在しません。ただ、これからだんだんと、景気が良くなって行き、金利が高くなって行くと考えるならば、変額保険も検討の余地があります。
ちょっと、話は変わりますが住宅ローンを考えて見ましょう。良く言われていますよね、「低金利の時代には、固定金利の住宅ローンを借りるべきである。高金利の時代には、変動金利の住宅ローンを借りるべきである。」と。
生命保険も同じ構造です。
「低金利の時代には、変額保険に入るべきである。高金利の時代には定額保険に入るべきである。」と、言うことができます。
ちょっと、ややこしい話なのですが、理解できましたか?
そもそも、変額保険は難しい商品です。私takuも具体的な商品についての説明を受けたのですが、理解するのに時間が掛かりました。。。。。
説明を受けても、理解できない部分があったなら、入るのは止めたほうが良いです。投資の世界では良く言われています。「自分で理解できないモノには投資すべきではない」と。
また、変額保険は、保険の「貯蓄」機能や「投資」機能がメインの商品になっています。そのため、どちらかと言うと、お金持ちのための商品です。
その意味でも、経済的にある程度余裕がある人でないと、対象にはなりにくいかもしれません。
変額保険は難しい商品なので、そもそも販売している人も限られています。もし、検討されるなら、複数の保険会社の商品を扱っているFPにご相談されることをオススメします。『特定の会社に属するFPではなく、独立系FPに相談しましょう』を参考にしてください。
いずれにしても通常の生命保険以上に、よーく商品について理解した上で、契約するようにお勧めします。
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2006年04月08日 22:16